偶然立ち読みした天文ガイドに載っていた皆既日蝕観測ツアー.強い衝動があったわけではなかったが,一度は皆既日蝕を見てみたかった.兎に角行ってみようと軽い気持ちで申し込んだのが,2002年12月4日オーストラリア・セドゥナでの皆既日蝕.途中雲に隠れたりしたが,皆既前には雲が切れ,そこに現れたのは美しさと不気味さが同居する輝く黒い太陽.今でもその美しさと不気味さは忘れられない.
 
その後時が経つにつれ,もう一度見たい思いが強くなり,2009年に国内で46年ぶりの皆既日蝕が見られるとなれば行かずにはいられない.2回目の皆既日蝕は奄美大島.しかし当日はときおり小雨が降る曇空.厚い雲に阻まれ撃沈.
 
2016年,偶然にも7年おきになるが,日本近くでの皆既日蝕.インドネシアで見られるが天候や治安の不安がある.そこに今回日本から出発の観測クルーズがあることを知った.船なら予定の観測海域に雲があっても皆既帯の中なら雲のない場所へと移動ができ,観測成功率が上がる.前回見えなかっただけに今回はなんとしても見たい!予定予算は軽くオーバーだが申し込んだ.
 
3月4日横浜大さん橋を出港し,3月9日グアムの南の海上で観測.
ただ船上のため揺れる.写真撮影はそれなりに苦労もあった.揺れ対策として動画用雲台を持ち込んだ.揺れに対して雲台を動かしシンクロナイズさせようという考えだ.カメラもレンズも直前に発売されたもの.十分に試写できないまま本番を向かえた.
 
いよいよ日食が始まる.雲はあるものの青空が広がっている.9時26分第1接触.始まった.まだ部分日食なのに脈拍数も一気に上昇.何度か大きな雲に隠れるものの順調にかけていく.90%ほどが欠けた頃だろうか大きな雲が現れた.船の煙突から黒煙が上がる.雲を避けようと船体が大きく右に曲がる.そして第2接触.純白のコロナが出現.上方には赤いプロミネンス.まさに黒い太陽が燃えて輝いているようだ.船長の巧みな操船で皆既中は雲に遮られることもなく観測できた.
 
2002年オーストラリアで見たときは不気味さえ思えたが,今回は綺麗の一言.前回は低空で風景と一緒に見え,現実と幻想が混在し不気味さを感じたのかもしれない.今回は高空で日食以外何も視野に入ってこない.幻想の世界だけ.美しさしか存在しない.


第一接触     09時26分14秒  北緯10°38′83  東経148°47′48
第二接触     10時56分05秒  北緯10°37′02  東経148°36′09
食の最大     10時57分23秒  北緯10°37′37  東経148°35′96
第三接触     10時58分45秒  北緯10°37′42  東経148°35′85
第四接触     12時30分12秒  北緯10°37′89  東経148°23′53
(時間は日本時間 ぱしふぃっくびいなす発表)
  

 
撮影機材: OLYMPUS PEN-F M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO(最後の3枚は除く.トリミングあり.)
※約5分刻みで撮影していますが,雲に隠れたりしてしまい1〜2分前後のずれがあります.なお10時50分前後は雲に完全に隠れ撮影できませんでした.
※※上記の各接触時間と写真データの時間で若干のずれがあります.カメラの時間設定がずれていたかもしれません.
※※※第三接触後はピントがずれてしまい掲載していません.

09:25:52 ISO200 1/4000 F5.6(ND100000)

09:29:51 ISO200 1/3200 F5.6(ND100000)

09:35:27 ISO200 1/3200 F5.6(ND100000)

09:40:27 ISO200 1/4000 F5.6(ND100000)

09:45:30 ISO200 1/4000 F5.6(ND100000)

09:51:00 ISO200 1/3200 F5.6(ND100000)

09:55:19 ISO200 1/3200 F5.6(ND100000)

09:59:39 ISO200 1/3200 F5.6(ND100000)

10:06:58 ISO200 1/3200 F5.6(ND100000)

10:09:49 ISO200 1/2500 F5.6(ND100000)

10:14:32 ISO200 1/2500 F5.6(ND100000)

10:20:51 ISO200 1/2500 F5.6(ND100000)

10:26:27 ISO200 1/2000 F5.6(ND100000)

10:30:18 ISO200 1/2000 F5.6(ND100000)

10:35:08 ISO200 1/2500 F5.6(ND100000)

10:39:51 ISO200 1/2000 F5.6(ND100000)

10:46:41 ISO200 1/1250 F5.6(ND100000)

10:55:22 ISO200 1/500 F5.6(ND100000)

10:56:00 ISO200 1/2000 F5.6

10:56:49 ISO200 1/1600 F5.6

10:58:23 ISO200  1/320 F5.6

 10:58:31 ISO200  1/60 F5.6

 10:58:45 ISO200  1/60 F5.6

10:58:52 ISO200  1/640 F5.6

11:00:04 ISO200 1/1600 F5.6(ND100000)

iPhone6 10:25:32

 
 
 

ぱしふぃっくびいなす
 就航年 1998年
 総トン数 26594トン
 全長 183m 幅 25m
 巡航速力 18.0ノット
 旅客数 620名 乗組員 220名
 
皆既日食・グアム・小笠原クルーズ
 船長 松井克哉


今回の航路(青線:線上の数字は日本時間)
  赤い○印のところで皆既日蝕を観測
  オレンジの部分は皆既帯で今回の観測予定海域