OLYMPUS初のマイクロフォーサーズ機はPEN Fを彷彿させるスタイルのE-P1だ.さらに5ヶ月後には外付けEVF対応のE-P2が発売された.E-P1,E-P2ともにシルバーボディを購入した.
 
E-P1発売当初,EVF外付けの後継機を待つつもりであったが,当面は出ないような噂を聞き,待ちきれず5万円を切る中古機(ほぼ新同)を衝動買いしてしまった.その直後E-P2の正式発表があった.しばらくE-P1で遊んでE-P2購入は見送る予定であったが,EVFを覗いたとたんE-P2もお買い上げ.


発売日
2009年7月3日(E-P1),2009年12月4日(E-P2)
画像素子
有効画素数約1230万画素・17.3×13.0mmLive MOS
処理エンジン
TruePic V
ISO感度
(100〜)200〜6400
シャッター
1/4000〜60秒・B(最大30分)
測光方式
評価測光,スポット測光(ハイライト/シャドー),中央部重点平均測光
露出モード
AUTO,プログラム,シャッター優先AE,絞り優先AE,マニュアル
AF測距点
11エリア(コントラストAF)
連続撮影速度
3コマ/秒
動画機能
有り
モニター
3.0型TFT式(23万ドット)・ライブビュー対応
外付けEVF(144万ドット,対応機種:E-P2)
手ぶれ補正
内蔵(最大有効補正範囲4EV)
記録媒体
SD/SDHCカード
サイズ
120.5(W)×70.0(H)×35.0(D)mm・335g(本体のみ)

 
左E-P1,右E-P2マイクロフォーサーズ機はフォーサーズ機と同じ大きさのセンサーを搭載したレンズ交換式のミラーレス機である.メーカーは「マイクロ一眼」を呼んでいるが『一眼』と呼ぶことには違和感を感じる.
 
E-P1/2のデザインは往年のハーフ一眼レフのPEN Fを相当意識したものとなった.実際正式な製品名は「マイクロ一眼OLYMPUS PEN E-P1」である.このE-P1/2のスタイルには賛否両論があるだろう.個人的には,はじめ見たときはあまり好きではなかったが,手にしてみて徐々に気に入ってきた.単に節操がないだけ.
 
金属外装のため高級感がある.また前面のグリップはデザイン的にポイントになっている.グリップの出っ張りは小さく,あまり実用的ではないように見える.しかし実際構えてみるとほとんど金属外装で滑りやすいボディのなかでグリップは合成革で滑りにくく,しっくりする感じ,なかなかよい.見た目とは随分違う.ただもう少し高めでもよかったのではないかと思う.
 
前E-P1,後E-P2.アクセサリーシュー部分が飛び出ている.E-P2は外付けEVFのためアクセサリーシュー部分がやや高くなっている.デザイン的には違和感があり,明らかにあとから追加したような感じのデザインだ.E-P2は本当は2010年に発売を検討していたらしい.予想より早く高性能なEVFの目途が立ち前倒ししての発売だったようだ.もし予定通りの発売であればデザインももう少し違っていたかもしれない.ちょっと残念な感じがする.EVFを装着したデザインもいまいちだ.ボディに対してEVFが大きくバランスが悪い.チルト機構を省略し背丈の低いコンパクトなEVFにすべきだ.もう少し時間をかけてデザインの統一性のとれた製品を出してほしかった.
 
このEVFは144万ドットで非球面レンズも使用した高性能なもの.以前Panasonic GF-1についてのインタビュー記事でEVFについて不要輻射の問題で20万画素以上のデータの転送はできないとはっきり言っていた.その数ヶ月後にOLYMPUSはやってくれた.さらにRICOHもGXR用EVF92万ドットを発売し,Panasonic の鼻をあかした.
 
装備としては手ぶれ補正を内蔵している.Panasonicがレンズ内蔵なのと対照的だ.手ぶれ補正をボディに内蔵することにより,古いレンズでも手ぶれ補正の恩恵を受けることができる.その他OLYMPUS十八番のダストリダクションやアートフィルターも搭載されている.最近のデジカメでは当たり前となりつつある動画機能,デジタル水準器も搭載した.
 
一方フラッシュは搭載しなかった.個人的にはフラッシュはあまり使わないので困らないが,常に持ち歩くお散歩カメラとしてはいざをいうときのために内蔵してほしかった.
  
実際の撮影では,まずホールディング.適度な重さ,小さいが結構しっくりするグリップなど思った以上にホールディングしやすい.小さなボディのため背面のボタン類は配置に余裕がない感じだ.撮影中過ってボタンを押してしまい設定が変わってしまったことが度々あった.ボタンの一部を液晶モニターの左側にするなどの配置については再考の必要があると思う.
 
撮影中AFやISOなど変更したいときはメインダイヤルの中央のOKボタンを押すと画面に設定項目が出現するライブコントロール機能を使用している.結構便利だ.ダイヤルに関しても絞り優先ではメインダイヤルに露出補正,サブダイヤルに絞り値を設定していたが,いつの間にか露出補正がうごいていることがあり,両ダイヤルを絞り値に設定し,露出補正は補正ボタンを押して変更するようにした.
はじめは各種設定が複数方法あり,紛らわしい感じがしたが,最終的には自分にあった設定方法を選択でき便利だ.
 
AFのスピードはあまり速いほうではない.動きのあるものではちょっとつらいが,スナップ撮影では十分であろう.コントラストの低い被写体ではピントが合わず迷い出すことがあった.それ以上に問題なのは中抜けだ.小さな被写体ではバックにピントがあってしまう.これはAF測距エリアが大きいためと思われる.
 
AF+MFに設定するとフルタイムマニュアルフォーカスとなる.AFでピントを合わせたあとシャッターボタンを半押しのままフォーカスリングを回すとモニター画面が拡大し,マニュアルでピント微調節ができる.ただフォーカスリングの感度が敏感でちょっと触れただけで画面が拡大してしまう.元に戻すにはシャッターボタンから指を離すかAEL/AFLボタンを押す必要がある.シャッターボタンから離せば再度AFをしなおす必要があり,AEL/AFLボタンはEVFを覗きながらでは押しにくい.フォーカスリングを止めれば1〜2秒で拡大画面がキャンセルになるようカスタマイズ設定できるようにして欲しい.
アダプターを介した他規格レンズではマニュアルフォーカスでも自動的に拡大画面にはならない.この場合はINFOボタンから拡大画面を選択しOKボタンを押すことにより可能だが,やはりEVFを覗きながらではやりづらい.
 
画質はE-620と比較して解像感がアップした.OLYMPUSはローパスフィルターの設定が強い傾向にあったが,E-P1/2では画像処理エンジンの変更によりローパスフィルタ効果を弱くしたようだ.発色はやや派手目に感じる.ちょっとコンパクトデジカメ寄りだろうか.高感度ではノイズが気になる.実際の撮影ではISO800までにしたほうがいいようだ.
 
手ぶれ補正も十分な効果を発揮しているようだ.たまたまEOS 5DmkII+SIGMA 24-70mmF2.8 IF EX DG HSMの組み合わせでほぼ同じ条件で同じ被写体のスナップ写真があり比較してみた.EOS 5DmkIIの組み合わせは手ぶれ補正機能はなく,拡大してみると手ぶれが確認できたが,E-P2ではブレはみられなかった.どちらも気軽に撮影したお散歩写真であったが,大きさ・重さの違いがあるにせよ手ぶれ補正機能の有りがたさを実感した.
 
バッテリーの持ちはいまいちだ.特にE-P2にEVFを付けての撮影ではバッテリーの消耗が早い印象.丸一日撮影する場合,予備バッテリーは必需品だ.

これだけコンパクトだとお散歩カメラとしてだけでなく,鳥見にも活用できないだろうか.E-620は探鳥地の下見や山歩きでの鳥見用に購入したが,思ったほど小さくもなく,画質的にも満足のいくものではなかった.E-P1/2はコンパクトであり携帯性は申し分ない.画質についてはセンサーのスペックはE-620とほぼ同じでフルサイズやAPS-Cサイズのセンサー搭載のデジ一眼と比べれば劣る.
 
あまり期待せずにE-P2で鳥の撮影にチャレンジしてみた.使用したレンズはZUIKO DIGITAL ED 70-300mm F4-5.6でマウントアダプターを利用した.ZD70-300は小型の望遠ズームレンズではあるが,E-P2に装着すると大きさ的には明らかにバランスが悪い.カメラにレンズを付けたのではなく,レンズにカメラが付いた感じだ.しかし実際ボールディングしてみると,結構バランスがいい.左手でレンズを支えるだけで右手はボディの操作部分に軽くそえるだけ.
 
AFスピードはスナップでは問題なかったが,やはり鳥の写真となると遅い.池に浮かぶカモなどは動きのないものは問題ないが,飛んだり泳いだりと動きのあるものにはついて行けない.
EVFは満足だ.屋外でも全く問題なく撮影できた.また覗く体勢はボールディングも安定する.
 
結論としてはE-P2での鳥の撮影はほとんど動かない被写体なら可能だが,動きのあるものでは満足のいく作品は無理と思ったほうがいいようだ.

-Jan. 2011