発売
1984年
型式
35mmレンズシャッター式AEコンパクトカメラ
レンズ
Sonnar 38mmF2.8T*(4群5枚)・沈胴式/二重像合致式
最短撮影距離
1m
シャッター
1/500〜8秒(電子式)
測光方式
中央重点測光
露出モード
絞り優先プログラムAE
フラッシュ
外付け専用フラッシュ
バッテリー
SR44/LR44・2個
サイズ
98(W)×66.5(H)×32.5(D)mm・270g
専用フラッシュ
GN14(ISO100),全絞り連動
バッテリー:1.5V単3形アルカリまたはマンガン電池・2本
サイズ:58(W)×66.5(H)×32.5(D)・70g

デザインはポルシェデザインによる.シルバーの小型ボディーの前面には沈胴式レンズからファインダーまで隠す大きなフロントカバーがある.ボディーを上下逆さまに持ってフロントカバーをフード代わりにして撮影する人もいると聞く.フロントカバーをもったカメラとしてミノックス35シリーズやリコーFF-1が有名である.ちょっと変わったものとしてチノンの観音開きのフロントカバーもあったが, Tのデザインが最も洗練されている.
 
ボディー各部のエッジは斜めにカット処理されている.Tカットと呼ばれ,以後Tシリーズ共通のデザインとなる.巻き上げレバーはボディに埋め込まれ,巻き戻しクランクはボディー上面とフラットとなるデザインである.レリーズボタンはサファイヤを使用し,えんじ色をしておりデザイン的にもワンポイントとなっている.XAのシャッターボタンを思い出す.
 
構えてみると金属製のボディーはズッシリとした感じがある.(Tシリーズはチタン製で有名だが,Tはまだチタンは採用されなかった.)ストロボは専用でボディー横に取り付ける.この点もXAに似ている.ストロボはプラスチック製のようで持ってみると軽く,チープな感じである.
 
前面のオープンボタンを押しながら手でフロントカバーを開く.同時にレンズが飛び出す.絞りは7枚羽根でほぼ正円である.最短撮影距離は1mであり,他のコンパクトカメラやデジタルカメラからみても見劣りするが,画質優先で無理な設計はしなかったのだろう.
 
実際の撮影では,まずフィルム入れが裏蓋を開ける方法ではなく,ボディ下2/3のカバーを引き抜き完全に外して行う昔ながらの方法である.クラシックカメラ愛好家には珍しくもないが,簡単装填の最近のカメラしか経験のない人には戸惑うかもしれない.またフィルムの装填時はフロントカバーを開け,レンズを出した状態で行う.
 
デザインの特徴であるフロントカバーは撮影時には邪魔になる.ピント合わせや絞り調節の時,手指がフロントカバーに当たりリングが回し難い,
ファインダー表示はやや見づらい.ピントも二重像合致式であるが見づらく合わせにくい.(OLYMPUS XAと比較するとTの方がまだ合わせやすいが…)
 
シャッターは適度なストロークであり,手ぶれもしにくそうだ.タイムラグもほとんどない.フィルム巻き上げはガガガ…と歯車が回転する感じが伝わる.もうちょっとスムーズな動きにできなかったのだろうか.残念だ.
 

-Jan.2012