OMシリーズからのOLYMPUSユーザーであったことから,Eシステムも非常に気になっている.オープン規格を目指しフォーサーズ規格を掲げスタートしたが,現在カメラボディはOLYMPUS以外,Panasonic,Leicaのみ,レンズはその他にSIGMAが製品を発表している.三洋電機,富士フイルムの2社は賛同しているが,製品は発表していない.(Kodakはイメージセンサを供給している.)すこし寂しい状況である.


上図は画面サイズのイメージである.上段が代表的なデジ一眼の画像素子イメージ,下段が各種フィルムの画面イメージである.上段右端は参考としてコンパクトデジカメの例として1/1.8型センサーを載せた.上段左から35mm判フルサイズ(36×24mm,デジタル・フィルム共),デジタルAPS-C(23.6×15.8mm),フォーサーズ(17.3×13.0mm),1/1.8型(6.9×5.2mm),下段左からフィルムAPS-C(25.1×16.7mm),110判(17×13mm),ミノックス判(11×8mm)である.なおデジ一眼のAPS-Cサイズは各社各機種により違いがあり,23.6×15.8mm(Nikon D300)〜20.7×13.8mm(SIGMA SD14)と幅がある.またCanon EOS1Dシリーズは28.1×18.7mmのAPS-H判を採用している.

こう比べてみるとフォーサーズがいかに小さいかが分かる.フルサイズからフォーサーズのカメラまでを一緒に「デジ一眼」と同じカテゴリーで論ずるのは無理があると思う.フィルムと比較するとフォーサーズは110判フィルムと同程度である.昔PENTAXにAuto110という110判一眼レフがあった.同じ一眼レフでもあくまで110判カメラであって,Nikon F3やCanonF-1と一緒に論じられることはなかった.35mm判と110判は全く違うカテゴリーとして扱ってきた.

現在デジタル一眼はフルサイズ化へ向かう傾向にある.Canonに続いてNikonがフルサイズ機を発売した.Sonyからも発売されると噂されている.今後デジタル一眼はフルサイズ,APS〜フォーサーズの2極化が進むだろう.
フルサイズ化が予想以上に進めば,各社はフルサイズ機の開発に集中しAPS機の開発を抑え,最終的に消滅するかもしれない.中間のAPSサイズが消滅すれば,フルサイズとフォーサーズの大きさの違いは明白で,開発当初からデジタル専用にフォーマットを規格し,デジタル専用にレンズを開発したフォーサーズシステムはもう一つのカテゴリーを形成してもいいはずだ.そうなれば全く違う2つのカテゴリーに明瞭に分かれることになるだろう.たとえばプロはフルサイズ,アマチュアはフォーサーズといったように.

しかし現状をみるとフォーサーズシステムはなかなか勢力が伸びない.オープン規格としたにもかかわらず賛同メーカーが少ない.フォーサーズ規格はセンサーサイズだけでなくレンズマウントの規格も含まれており,CanonやNikonなどが全く新しくレンズラインナップをそろえ参入してくるとは思えない.
さらに賛同メーカーのSIGMAでさえカメラはAPSサイズのものを出している.主流はAPSを判断したのだろう.今後もフォーサーズマウントの交換レンズのみの賛同であろう.個人的にはFOVEONセンサー搭載のフォーサーズカメラがでることに期待したい.
富士フイルムはNikonマウントのAPSサイズのカメラを出しているがオリジナルのレンズを発売していないので,今後フォーサーズカメラに変更する可能性はあるだろう.Nikonマウントのカメラを出しても所詮Nikonのカメラにはかなわない.同時にフォーサーズ規格のフジノンレンズが出るとうれしい.

シェア拡大のためユーザーに受け入れられるにはフルサイズ機やAPS機ではない新しいカテゴリーであることを印象つけるような製品が必要である.今までのカメラと同じようなサイズのカメラを出していてはせっかくの規格も意味がなくなってしまう.PENTAX Auto110と同じ大きさとまではいわないが,もっと小型でフルサイズ機とコンパクトデジカメの間を埋めるようなカメラを目指してもいいのでないか.

フォーサーズ規格の長所短所はいろいろな場面で紹介されているので今更言うまでもないだろう.イメージセンサーが小さいことは画質的に不利になっている.もちろん画質はセンサーだけでなくレンズ,画像処理エンジンなどを含めたシステムで決定される.しかしどう頑張っても小は大を越えることはできない.

またその小ささは手ぶれの影響を受けやすい.フォーサーズカメラにこそ手ぶれ補正機能は必須である.OLYMPUSもE-510,E-3に手ぶれ補正機能を搭載した.ただアダプターを介した付けた古いレンズでは利用できない.PENTAXでは古いレンズでもレンズ焦点距離情報を手入力することで使用可能である.是非次期カメラでは採用してほしい.※1


35mm判換算で同じ焦点距離レンズで比較するとフォーサーズ規格ではボケが小さくなる(被写界深度が深くなる.)ボケの綺麗な写真を撮ろうとすると限界がある.その分明るいレンズ,とくにズームレンズをラインアップしているが,それはそれで魅力的だがレンズが大型化してしまう.
ただでさえZUIKO DIGITALレンズは大きい.センサーサイズに対し余裕ある大型レンズマウントを持ちデジタル専用に設計したレンズは画面周辺のセンサーにも十分集光し画面周辺光量の低下や色のにじみなど少なく高画質を保っている.それでも小さなイメージセンサーを採用しているのにあまりにもレンズが大きいと感じてしまう. 小さなセンサーの利点を最大限に活かした小型レンズシステムを期待したい.

OLYMPUSが最初に採用したダストリダクションは現在では他社のカメラにも搭載されるようになった.ネット記事などみると,その性能はOLYMPUSが最も効果大とのことだ.OLYMPUSはレンズ交換式デジ一眼を出すのが他社より遅かったが,その間ゴミ対策の研究に余念がなかったのだろう.

ライブビューもOLYMPUSの御家芸のひとつだ.E-330ではモニターが上下に角度を変えられるマルチアングルとなっており,ローアングル撮影時に大変便利である.さらにE-3では2軸可動式フリーアングルとなり上下だけでなく左右にも傾けることができるようになった.しかしこの2軸可動式フリーアングルは必要か疑問だ.角度をつけてライブビューを使用すると光軸がずれて戸惑ってしまうことはないだろうか.むしろE-330のような上下の動きに限定し,その分モニターサイズを大きくした方がよいと思う.

またライブビュー状態からの撮影ではミラーが一旦降りて,再度ミラーアップとともに撮影される.全く無駄な動きでタイムラグとなる.Canon EOS 40Dのようにミラーアップのライブビュー状態のままシャッターが切れれば,ミラーのアップダウンによる衝撃もなくブレ対策にもなる.次期機から採用してほしい機構の一つだ.

結局Eシステムには非常に興味があるが,Canon EOSから乗り換えるまでには至っていない.システムとくにレンズ群の充実とフォーサーズ規格の長所を最大限に発揮したOMシリーズを彷彿とさせるようなコンパクトなカメラの出現を待ちたい.

-Dec. 2007

※1
2008年1月29日,E-3とE-510のファームウェアのアップグレードを発表した.主な変更点はフォーサーズシステムのレンズ以外で手ぶれ補正機構が対応することだ.すなわちマウントアダプターを介して装着したOMシリーズのレンズや他社製のレンズでも手ぶれ補正が使える.(焦点距離情報の入力が必要.)

すでにPENTAXが同様の機能を搭載しておりE-シリーズにも搭載して欲しいとの要望は大きかったと思う.しかしこんなに早く実現するとは思ってもいなかった.ファームウェアの改良だけで早期にできたことは,とにかく朗報である.

PENTAXの場合,フランジバックの関係からM42レンズ,中判以上のレンズしかその恩恵を受けないだろう.しかしフランジバックの短いフォーサーズシステムではマウントアダプターを介し多くの他社製レンズが使用でき,さらに手ぶれ補正の恩恵をこうむることができる.もちろんオートフォーカスも使えない.しかしE-3のファインダーは大きく見やすくピント合わせも問題ないだろう.もちろんライブビューによるピント合わせも可能である.このアップグレードはMFレンズ所有のユーザーの購買意欲をそそるだろう.焦点距離は35mm判換算で2倍になる欠点はあるが古いレンズも使えるカメラとして大変魅力的だ.

-Feb. 2008

5月ネットにLeicaCEOインタビュー記事でフォーサーズ規格以外のDSLRを独自開発するとのコメントが載っていた.6月にはPanasonicがフォーサーズ規格から撤退するとの噂が載った.

もともとフォーサーズ規格はオープン規格として発足したが,結局ボディーを発表しているのはOLYMPUS,Panasonic,Leicaの3社のみである.(LeicaにいたってはPanasonicのOEMである.)Panasonicのネット記事は噂の域を出ない.Leicaもフォーサーズ規格以外のカメラの開発発表でフォーサーズ規格からの撤退を表明したものではない.しかしLeicaにはRシリーズというSLRシステムがあり,以前デジタブバックを発売していた.撮影システムの充実を考えると既存のRシステムを活用しさらに進展させる方が効率的であり,今後フォーサーズからの完全撤退する可能性があると思う.

オープン規格としてのフォーサーズ規格の魅力は複数メーカーのボディーとレンズを色々な組み合わせで撮影できる楽しみであろう.今後Leica,Panasonicがフォーサーズ規格から撤退するようなことがあれば,オープン規格とは名ばかりのものとなってしまう.さらに賛同企業の三洋電機は経営再建途中で,デジタルムービーカメラに力を入れており,新規にSLR事業に参入する可能性はないだろう.富士フイルムも製品を出す様子もない.(SIGMAについてはレンズは製品化している.)このままではフォーサーズの魅力はなくなってしまう.

もっともOLYMPUSユーザーにしてみればオープン規格というより,CanonのEFマウント規格やNikonのFマウント規格のようにOLYMPUSというメーカーの規格といったとらえ方をしているかもしれない.例えPanasonicやLeicaが撤退してもその影響は少ないだろう.

しかしやはり寂しいことには変わりない.以前も述べたがフォーサーズ規格は既存のSLR規格を踏襲したフルサイズやAPS-CサイズのDSLRとは一線を引き全く新しいカテゴリーとして提案すべきと思う.フルサイズのサブカメラ的な発展もあっていいのではないかと思う.そのためにはもっと小型で斬新なカメラ作りが必要だ.思い切って光学式ファインダーを廃止しライブビューを前面に押し出す,必要であれば液晶ファインダーをアクセサリーとして出す.マウントアダプターでCanonEFレンズやNikonのAFレンズと完全対応し,AFや自動絞りも使用できるようなシステムができないだろうか.

そのときにはOLYMPUSもフォーサーズ規格とは別にフルサイズ機を出してくるかもしれない.それはそれでまた楽しみが増えるというものだ.

-Jun.2008

OLYMPUSとPanasonicからフォーサーズ規格の発展系のマイクロフォーサーズシステムが発表となった.
主な規格内容は
1.フランジバックを約1/2(約20mm)に短縮
2.マウント外径を6mm縮小
3.マウント電気接点を11点に変更(現行9点)
4.撮像素子について基本的には現行のフォーサーズ規格と同じ
これにより小型・軽量化をはかり新しいコンセプトの小型DSLRが可能となる.

以前このサイトで述べたが,フォーサーズ規格は今までのフルサイズやAPSサイズのDSLRではない新しいカテゴリーとすべきだと思っていた.そのために今までのカメラと同じサイズのカメラを出していてはせっかくの規格も意味がなくなってしまう.もっと小型でフルサイズ機とコンパクトデジカメの間を埋めるようなカテゴリーを確立すべきだ. 今回の新規格でそれが実現されよう.

もっとも実際は各メーカーがフルサイズ機開発に向かう中で,OLYMPUS・Panasonic両社がフォーサーズのシェア拡大においての限界を感じ,思い切って規格を変更することにしたと思われる.その方向性についてはイメージセンサーの大型化ではなく,逆のシステムの小型化を選択したことは両社にとって大きな賭となろう. 結果的には新しいカテゴリーの製品実現に今回の新規格は期待できる.成功するか失敗するかは別にして一ユーザーとしては非常に期待している.

フランジバックが短縮された.これによりミラーレスすなわち光学式ファインダーがなくなる.レンズ交換式コンパクトデジカメといった感じだ.ミラーレスは時代の流れの感じもあり肯定的に考えているが,光学式ファインダーがないことは旧来の一眼レフの定義から外れる.ファインダー開発にも力を注いできた老舗カメラメーカーとしては抵抗があっただろう.(もっともOLYMPUSは旧態を打破し斬新な製品を出してきた,その社風から他社よりかは抵抗が少ないと思う.)その点,家電メーカーとしてコンパクトデジカメからカメラ業界に参入した新参メーカーにはほとんど抵抗はなかったと思う.そう考えると今回の規格はPanasonicが中心となっている感じがする.

それ以上に気になるのはフランジバック短縮で光学的性能が犠牲になっているのではないかということだ.もともとフォーサーズ規格はフォーマット周辺での光線の入射角を確保するため現在のフランジバックが決定されたのではないか.それが半分になると周辺画質が低下するのではないだろうか.この点についても画質重視のカメラメーカーとコンパクトデジカメから参入の新参メーカーの考えの違いがあるようにい思う.
PanasonicにしてみればDSLRの低迷は許されない状況であろう.同時期参入したライバルSonyはそこそこ順調のようだ.すこし画質が落ちてもコンパクトカメラユーザーからの乗り換え組には十分であり,さらに画質についてはソフトウエアでの処理での対応も可能だ.シェア拡大(売り上げ拡大)のためにはとにかく多くのアマチュアユーザーを取り込むことだ.この辺はOLYMPUSの社風とは相容れない感じがする.今回の新規格はOLYMPUSがPanasonicに押され妥協した感じがプンプンする(もちろん何の根拠もない)別にPanasonicが嫌いなわけではないが,シェア拡大のため形振り構わぬ対応にOLYMPUSが振り回されないか心配だ.OLYMPUSにはPenやOMシリーズなどような他社にない斬新な発想で独自の道を進んで欲しいと思っている.

とにかくこの規格での製品は相当小型となろう.イメージとしてはレンズ交換式のDP1といった感じか?そういえばSIGMAもこの規格に賛同の様子だ.DP1の後継機はまさにレンズ交換式となるかもしれない.またLeicaもM8とは別の新デジタルレンジファインダーカメラを出してくる可能性もある.新規格のコンセプトは高画質スリム一眼とあるが,メーカー側は動画録画機やレンジファインダ機の可能性を否定していない.そうなると今までフォーサーズ規格に参加していないNikonやCanonもサブカメラとして参入してくる可能性もあるのではないか.(たとえばCanon PowerShot G10 (仮称)はマイクロフォーサーズ規格を採用するかもしれない.)さらにFマウントレンズやEFレンズの完全対応のマウントアダプターの開発にも期待したい.色々心配な点もあるが今後の展開を楽しみにしたい.

もう一つ気になるのが,現行のフォーサーズシステムの今後の展開だ.同じイメージセンサーでありながら2つのラインアップが存在することになる.今回のマイクロフォーサーズは今までのDSLRとは一線を画するもので新しいカテゴリーのシステムと考える.そうなると35mmフィルムSLRの延長にある現在のDSLRに対応するシステムとして今まで通り現行のフォーサーズが位置づけられよう.しかしその違いはボディの小型化だけである.逆に現在他社はイメージセンサーのフルサイズ化へ向かっている.そこで気になるのが以前噂として挙がった18mmスクエアフォーマットだ.結局噂の域を出なかったが,スクエアセンサーによるイメージセンサーの大型化によって現行フォーサーズとマイクロフォーサーズの差別化をはかることができよう.また他社のフルサイズ機やAPS機との競合することも可能だ.さらに新規格との互換性もあり(マイクロフォーサーズカメラにスクエア用フォーサーズレンズを付けるなど)非常に魅力的なシステムとなると思う.

-Aug.2008