奄美大島は南西諸島の一部で行政区では鹿児島県にはいる.面積約700km².歌手の元ちとせはこの島の出身だ.

東京から飛行機で直行便が出ている.約2時間半のフライトだ.島に近づくにつれ碧い海と白い砂浜が見えてくる.島自体は結構深い森で覆われている.ここには特別天然記念物のアマミノクロウサギが生息している.他にも動植物の固有種がおり非常に興味そそられる島だ.

島は1市2町2村.今回は奄美市名瀬に宿泊する.空港からはバスで約1時間,車窓から見える碧い海,サトウキビ畑など南の島に来たといった感じに浸る.名瀬の街は宿泊施設,飲食店やコンビニなど充実している.しかし島の情緒のようなものも残っていて,南の島の雰囲気が何ともいい感じだ.

 今回皆既日蝕が目的で訪れた.日蝕が見られるということで数日前東京のラジオ番組で奄美の人が電話出演していたが,人大杉でパニック状態のようなことを言っていた.東京の新宿や渋谷のような感覚でいたので,拍子抜け.実際名瀬の街は平穏のようだ.まあ一安心.もっとも地元の人にとってはいつも以上に人がいてパニック状態なのは事実だろう.

まずは名瀬の街中を散策する.大島は深山で覆われている.名瀬も街のすぐ後ろまで山が迫っている.名瀬の街中でアカショウビンの鳴き声が聞こえるほどだ.
島では島バナナが栽培されている.名瀬の街にも青果店などの軒に吊されていた.すでに真っ黒.スイートスポットどころではない.これぐらいになると完熟で甘くおいしいよとのこと.本当かな?もう少し黄色の部分のあるものを購入し,ホテルで食した.甘さと酸味が同時に味わえる.しかし思ったほど甘くはなかった.また一部筋っぽい感じもあり,やはり真っ黒になった方が完熟して美味しいのだろう.次回真っ黒バナナを味わってみたい.

2日後の皆既日蝕が待ちきれないのか,子供たちが日蝕の落書きをしていた.当日晴れて綺麗な皆既日蝕が見られるよう祈った.
 大島紬
この日は街中で大島紬の織りの実演を行っていた.もともと糸が柄に合わせて染色してあり,縦糸,横糸を織っていくことにより非常に細かな柄が出現する.少しでもずれれば柄が台無しになってしまう.少し織っては修正の繰り返した.また糸を染めるのも大変だろう.後日大島紬の観光施設を訪れた.

大島紬は糸が柄に合わせて染めてある.そのため図案に合わせて絹糸を綿糸で強く締めて染色する.染色は車輪梅(奄美ではテーチギ)という木の抽出液で染色し,その後泥染で泥土に含まれる鉄分と反応させる.そのため島のところどころに泥田がある.染色された糸を図案に合うよう順番通りに巻き上げていく.その後やっと織りに入る.実際は30〜40工程もあるそうだ.
車輪梅(テーチギ)泥染

自然観察の森から龍郷湾を望む(HDR処理)2009年7月22日,日本で46年ぶりに皆既日蝕が見られる.今回の奄美大島訪問もこのためだ.しかし当日の天候は曇り,雲を通して太陽が欠けていくが見られたが,その後雲は多くなり,結局ダイヤモンドリングやコロナは見ることができなかった.皆既になったときは空から太陽の痕跡が消えてしまった感じだ.地上では周囲が暗くなり,すこしひんやりとしている.幻想的な雰囲気には興奮する.思わず歓声と拍手が起こる.曇り空で皆既日蝕自体は見ることはできなかったが,雰囲気は十分堪能できた.

日蝕は残念だったが,せっかく南の島に来たのだから,やはり海だ.奄美大島も至る所に綺麗な砂浜の海岸がある.また磯場も多い.砂浜でも少し海にはいるとすぐサンゴが見られる.潮が引くとサンゴに足が着いてしまいそうだ.

マングローブ原生林島の多くを占める深山には貴重な動植物がいる.日中山道を走るとリュウキュウイノシシと3回も遭遇した.また野生化したヤギも.他の島でもそうだが,ここでもヤギは問題となっているそうだ.
夜のドライブではアマミヤマシギやアマミノクロウザギに会うことがあるそうだ.今回アマミノクロウサギとは会えず,来年リベンジを果たしたい.

北部にはバショウやソテツの群生地,南部の住用にはマングローブ原生林も.

食事では鶏飯が有名だ.日蝕観察期間中どこの店も満員だ.ラジオで地元の人がパニックになっているとはこのことか.普段はこんなことはないのだろう.店も開業以来の大盛況であったのではないだろうか.
鶏飯は鶏肉,錦糸卵などの具をのせ,鶏の出し汁をかけて食べる出汁茶漬けだ.あっという間に茶碗3杯をいける.今回鶏飯を3回食べた.味の基本は鶏出汁で決まるが,店によって微妙に味が違ってくる.九州らしく甘めのものもからあっさり系まで色々だ.甘めの味付けになれていないせいかあっさり系が美味しく感じた.甘めの鶏出汁のとき.刺身についていた山葵を少し入れたら意外と美味しかった.
鶏飯,後ろは鶏刺し
豚料理もよく食べられているようだ.ランチで島野菜と豚アバラ骨の塩煮を煮込んだ定食をいただいた.島野菜の煮物の主は蕗のようなツワで,その他に小筍などが入っている.個人的には豚より野菜の煮物が薄味でやわらかく煮てあり気に入った.

油そうめんもいい.沖縄のソーミンチャンプルのようなもの.山羊汁は以前沖縄で食べたとき独特の臭いで,もう食べないと思ったが,島の名物と言われ注文してしまった.独特の臭みがあるが沖縄で食べたときより臭みは弱く,食べやすかった.

海の幸もいい.アバスも以前沖縄で食べたことがある.ハリセンボンのことだ.ハリセンボンの肉はところどころプルプルのゼラチン様の部分が特徴だ.
赤ウルメは沖縄でいうグルクンだ.今回大きめのグルクンを塩焼きで食べた.淡泊すぎてちょっと物足りない感じ.
赤ウルメ(グルクン)の塩焼き島んにゃ
タナガの唐揚げ
島んにゃは茹でた巻き貝(マガキガイ).爪楊枝で身を取り出し食べる.身は小さいがコリコリしている.
海産物ではないがタナガのから揚げも香ばしく美味しい.タナガは川に棲むテナガエビのこと,テナガが徐々に訛ってタナガになったらしい.
今回初日に足首を捻挫してしまい,予定の半分もまわれなかった.来年再訪をはたしたい.

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