北海道の小島で行政区では羽幌町にはいる.羽幌の沖約27kmにあり,すぐ隣りに焼尻島がある.羽幌からは焼尻島経由でフェリーで約2時間,高速船で約1時間.島は周囲約12km,面積約5.5km²,歩いても3時間程度でまわれる.島民は400人弱である.

羽幌からの船は天売港に着く.港は島の北東にあり,住民は島の東側に住んでいる.西側は高台になっており,海岸は断崖が続いている.手つかずの自然が残っており,鳥の繁殖地となっている.天売島は「海鳥の楽園」だ.

天売島のフェリーターミナル港では大きなオロロン鳥がお出迎え

以前はオロロン鳥の島として有名であった.オロロン鳥,正式にはウミガラス.鳴き声からオロロン鳥と呼ばれていた.外観はペンギンのようだ.日本での唯一の繁殖地で何万羽もいたらしいが,漁の網に引っかかり激減し,現在天売島にくるウミガラスは20羽を切る.(ロシア領やカナダの島には沢山いるので絶滅危惧種にはなっていない.)現在繁殖保護活動をしているがうまくいっていないようだ*.卵や雛がカラスやオオセグロカモメの犠牲になってしまっている.(*ここ数年巣立ち個体数0が続いていたが,2011年7羽,2012年7月時点で5羽の雛と抱卵8つがい.活動の成果でしょうか.確実に繁殖成功数が増えるのを期待したいです.)

ウトウの巣穴現在この「海鳥の楽園」の主役はウトウに変わった.世界最大の繁殖地となっている.繁殖期の天売島での生息数は100万羽ともいわれている.巣は草の生えた斜面に穴を掘って作る.5月以降卵は孵化すると,親は昼間は海上で過ごし,夜に餌をくわえて戻ってくる.シーズン中はウトウナイトウオッチングのツアーがある.何万羽という親鳥が一斉に帰巣する様子はヒッチコックの映画「鳥」のようだ.さらにくわえた魚を横取りしようとウミネコ,オオセグロカモメが追いかけまわすし,一体は騒然となる.
一転昼間はウミネコやオオセグロカモメが悠々を飛んでおり,夜の騒ぎは嘘のようだ.

2010年訪れたとき,小船で繁殖地の岸壁に海から近づく.途中ケイマフリやウミスズメに出会う.船が近づくと水面を蹴って飛んでいった.このときはウミガラスは確認できなかった.

船上でウミガラスを待っているとき,海面から丸いものが出ているのに気づいた.海坊主のようだ.ゴマフアザラシが興味津々でこちらを見ていた.
夕方だったのでウトウが海上を飛んでいく.岸壁近くの海上に集まりはじめた.もう少し暗くなると帰巣するそうだ.

赤岩展望台から赤岩を望む観音岬から
昼間赤岩展望台へ向かう.道は海岸に沿って島を一周している.天売港から赤岩展望台までは上り坂.途中沖の岩礁ではウミウが羽根を広げて休んでいる.赤岩展望台近くの道の両側にはウトウの巣穴を観ることができる.

さらに登っていくと海鳥観察舎がある.ここからは緩やかなアップダウンが続く.大きな木もなく見晴らしは抜群.
しばらく歩くと観音岬に到着.ここはウミネコの繁殖地とのこと.さらに進むと下り坂となり天売港へと戻る.
後ろに見えるのは焼尻島天売灯台

途中天売灯台への脇道がある.その沖にはゴメ岬灯台がある.その周りの岩場には海鳥が羽を休めている.よく見るとゴマフアザラシも日向ぼっこをしているのが観察できる.

島の中央部は林で遊歩道が整備されている.渡りの時期には珍鳥の観察されるそうだ.(この時期は対馬での探鳥が恒例となっていて天売島に来たことはない.ぜひ一度来てみたい.)

食事は何といってもウニ.とくに焼ウニがお勧めだ.ただし6〜8月がシーズンでそれ以外の時期は食べられない.

帰りのフェリーの見送りは駐在さんだけ.ちょっと寂しい.
見送りは駐在さんだけ

羽幌は天売島への玄関口だ.こちらにも大きなウミガラスが鎮座している.羽幌では甘エビが名物のようだ.ご飯が隠れるぐらい甘エビののった甘エビ丼は絶品だ.
羽幌のターミナルでもオロロン鳥が鎮座甘エビ丼

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