対馬は九州から130km,韓国からは50km,面積約700km²の南北に長い島.平成の大合併により6町が合併し対馬市となった.朝鮮半島と近いことから,歴史的には大陸との窓口として地理的に重要な島で記紀にも出てくる.天気がよければ隣国韓国が見える.

対馬島は本来1島であったが,2つの人工運河(万関瀬戸,大船越瀬戸)によって3つの島に分断されている.橋が架けられており,南北に行き来できる.

島中が深い森で覆われている.東京から福岡経由の空路で約3時間.飛行機の窓から見た対馬の海岸線は入り組んだリアス式海岸で美しい.島のほとんどは深山で天然記念物のツシマヤマネコが生息している.残念ながら見たことはない.他にも動植物で固有種が見られる.過去に5回訪島しているが,毎回渡り鳥の季節のGWだ.ここは渡り鳥の中継地でもある.一番のお目当てはヤマショウビンだが,それ以外にも珍鳥が出現することが多い.

島内の公共交通はバス.しかし本数も少なく,やはりレンタカーが必要だ.対馬は道が狭く,コンパクトカーを借りた.毎回鳥見での訪島であまり観光をしたことがなかった.渡り鳥がどこに出るかわからず,島の南北を行ったり来たり.鳥見というよりかはドライブ旅行のようになってしまうことも多い.島には自然景勝地や神社仏閣も多く,じっくり回ると面白そうだが,しかし今回も鳥見で手一杯でそれ以外のことには余裕がなく観光はあまりできなかった.一度はゆっくり島を回ってみたいと思っている.(毎回そう思っている.)
万松院.対馬藩主宗家の菩提寺.島の至るところに神社が.

島の中心は厳原地区.宿泊施設も多く,今回も厳原に泊まることとした.

厳原には武家屋敷があり,石垣が残っている.厳原は島の中心地とはいっても随分さびれた感じが否めない.そんななか韓国人観光客が目立つ.韓国とは定期船航路があり地元は随分恩恵を受けていた.しかしリーマンショック以来ウォン安となり,韓国人観光客が減り,韓国人相手の商売にシフトしていた店は打撃をうけたようだ.対馬の中心地の厳原でも閉店した店をいくつか見かけた.

GWの時期には北部の鰐浦でヒトツバタゴが白い花を開花させる.モクセイ科の植物でここは国内最大の自生地で天然記念物に指定されている.別名ナンジャモンジャというそうだ.
鰐浦のヒトツバタゴ.別名ナンジャモンジャ.青海の段々畑.(HDR処理)
また近くに展望所があり,ここから韓国の釜山が見えるらしい.残念ながら天気が悪く見られなかった.展望所の沖に海栗島という島がある.ここには自衛隊が基地があり民間人は上陸できない.改めて防人の島を実感する.さらに対馬では韓国の領有権主張や韓国資本の土地買収が問題となり,新聞にも取り上げられた.まさに国境の島でもある.

厳原への帰り道,志多留,青海に寄る.漁り火.(この日は船が少ないようだった.)

日も暮れ根緒あたりを走っていると漁り火が見えた.GWのせいか船の数は少ないようだった.

対馬島の周囲には100を越える属島がある.主な3島は橋などでつながっている.中部にある沖島も橋でわたれる島の1つ.まわりの海はグリーンで美しい.さらにその奥に赤島がある.とくに観光スポットがあるわけではないが立ち寄った.

赤島の塩作り.上から海水を降らし,太陽と風で濃縮していく.偶然天日塩作りの施設を見つけた.敷地内で草むしりしていたおじさんから塩作りについて色々と話しを聞くことができた.ここでは海水を汲み上げ,ネットが張られた建物の上から散布し,時間をかけポタポタと落ちる.その間に日光と風により徐々に濃縮される.下に貯まった濃縮した海水を再度上から散布し,繰り返す.最終的に濃い海水ができる.これを鹹水(かんすい)というそうだ.

その後鹹水をビニールハウスのような小屋の中で乾燥する.ここでは釜で炊いて蒸発させたりはしないそうだ.この方法での天日塩作りは対馬ではここ1カ所とのこと.この方がミネラル豊富な塩ができるそうだ.手間の時間もかかる.しかし燃料を必要とせずCO2も排泄しない.太陽と風のみの究極のエコな塩作りだ

旅での一番の楽しみは食事だ.何といっても新鮮な海産物が食べたい.厳原の山葵という店に入った.比較的新しく綺麗な店内でジャズが流れているようなお店.この日の仕入れは白身の魚ばかり.刺身で食べ比べしたが….みんな同じに感じてしまう.

対州そばも名物のようだ.そばは朝鮮半島から対馬経由で伝わったという.そのため対馬のそばは原種に近いらしい.またいりやきという地鶏や魚を入れた寄せ鍋のようなものがある.佐須奈に行った際はそば道場あがたの里に寄り,いりやきそばを食べる.鶏でとった旨みの十分出た出汁とちょっとかためのそばがおいしい.出汁の鶏の油もしつこく過ぎずちょうどいい.
いりやきそば.鶏出汁の汁も美味しかった.六兵衛.こちらはサツマイモ粉
麺ではそば以外に六兵衛と呼ばれる料理がある.これは対馬以外に島原半島にもあるそうだ.サツマイモの粉をこねた生地を穴の開いた器具から押し出し作る.冷麺も押し出して作る.このあたりは朝鮮の食文化の影響かもしれない.鳥見の途中で内山のらん亭によった.何度か対馬を訪れているが六兵衛は初体験である.麺は黒っぽく,短めの麺だ.出汁に入った麺はツルツルと喉ごしよく,ほんのり甘みがあるように感じた.これは麺自体の甘みだったのか,出汁の甘みだったのか,あっという間に完食してしまった.次回はじっくりと食べよう.(対馬では料理全般に甘めの味付けと聞いた.地元醤油も甘め.)
-May.2009

今回唯一訪れていなかった島山島へ.ここも浅芽パールブリッジで対馬島とつながっている.島全体は森林に覆われている.道路の終点まで行くと港に出る.ここが島唯一の集落だ.集落の少し手前に島左近のものと伝わる墓がある.ネットで調べると島左近の墓と伝えられているものは全国にあるようだ.

-May.2011
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